UniversalAudioのApollo Twinを使ってみた!
UAD Apollo Twinレビュー【クランチ〜ディストーション2】

2014/10/22

ギター/ベースのレコーディングに最適なUAD Apollo Twin,Softube「Amp Room Half-Stack」,Fender Thinlineの組み合わせでクランチ〜ディストーション・サウンドを作ってみました。

UAD Apollo Twinレビュー【クランチ〜ディストーション2】

今回はFender Thinlineで,Softubeのアンプシミュレーターでクランチ・サウンド,ディストーション・サウンドをチェックしてみました。

 


クランチ〜ディストーション2(Fender Thinline)

次はFender ThinlineはH-H構成で,サンプルではフロント,ミドル,リアを使ってます。

アンプシミュレーターは,引き続き,Apollo Twinに付属している「Softube Amp Room Essentials」を使っています。

このThinlineは70年代初期のオリジナルで,GibsonのP.A.F.をデザインしたSeth LoverがFender用に作った,Wide Rangeハンバッキング・ピックアップがついていて,S-Sのテレキャスターより出力が大きい事が特徴です。

また,Thinlineはセミアコ構造で,ソリッド・ボディのレスポールとは音質が若干異なり,セミアコ独特のサウンド・キャラクターが加わります。

 

 

プリセット:クリーン

こちらもマーシャル方向のアンプですので,クリーン設定ですが,若干クランチ成分も含まれています。

メイプル指板の音もしっかりしていますね。

途中でピックアップをフロントからミドルに変えています。

このときに切り替えノイズが入りますが,これも本物のアンプに近い反応とサウンドです。

 

プリセット:ダーティ

クランチ・サウンドですが,シングル・ピックアップの時よりも出力があることが,しっかりと解ります。

また,途中でピック弾きから,指弾きに変えていますが,これもしっかりと解るサウンドです。

 

プリセット:ディストーション(シングル)

Thinlineはハンバッキングですが,プリセットはシングル用を使っています。

途中でピックアップをリアにして,ミュートしたサウンドも試していますが,しっかりと歪みながらも不要なヒスノイズがありません。本物のアンプでは,ここまで状態の良いアンプは少ないので,良すぎてちょっとびっくりしますが,レコーディングには,とても適していると言えます。

 

プリセット:ディストーション(ハンバッキング)

思いっきり歪ませたサウンドですね。

最初の方で聞こえますが,このくらい歪ませると,一番出力が大きいところでコンプがかかった音になります。

ミュートしたフレーズから,シングルノートのセミチョーキングの箇所も,本物のアンプの反応に近く,違和感無く弾くことができます。

また,最後のオープンEのコードサウンドのサステインのフィール,各弦が順番に消えていくサウンドについても,かなり本物のアンプに近いもので,通常,ソフトウェア・エミュレーターのみでは再現できないディテールでした。

 

ギターの材やピックアップ,弾き方のニュアンスも表現しやすいサウンド

ここまで,ギターを変えながらクリーン2種類,クランチ〜ディストーション2種類を作ってみました。

他のオーディオ・インターフェイスとソフトウェア・エミュレーターを組み合わせたときのサウンドとの違いを一番感じたのは,ギターを持ち替えたときやピックアップを切り替えたときの音色の違いでした。

Apollo Twinの場合には,クリーンでもクランチでも,ギター本来のサウンド・キャラクターがしっかりと出ていることが印象的。

当たり前の事ですが,ギターは形状やピックアップによって音が違います。

テレキャスターはテレキャスターのサウンド。

メイプル指板はローズよりも立ち上がりが早い。

ハンバッキングは,シングルよりも出力が大きく,密度が高いサウンド。

これらは普通にアンプを使えば出せる事ですが,ソフトウェア・エミュレーターを使ったデジタル・サウンドでは,なかなか難しいことでありました。

 

サステインの効いたクランチ・サウンドも楽に作れる

通常のオーディオ・インターフェイスとソフトウェア・エミュレーターの組み合わせの場合,派手に歪んだディストーション・サウンドは簡単に作れますが,中程度に歪んだクランチ・サウンドを作るのは,非常に難しい事が多いです。

たとえば,ソフトウェア・エミュレーターのみでクランチ・サウンドを作ろうとすると,サステインが足りない傾向があり,それをカバーするために,プレーヤー側がフレーズの部分部分でピッキングを強くするなどのテクニックで対応していくことになります。

ギタリストが感じる,リアルなアンプと,ソフトウェア・エミュレーターでのサウンドの違和感はこの辺にあります。

これを解消するには,例えば,オーディオ・インターフェイスの前にLA-610 MKIIなどのプリアンプを通す事も方法の一つです。

しかし,オーディオ・インターフェイスとは別に,ラックサイズのチャンネルストリップやマイクプリを用意するのは,予算的にも厳しい場合も多いわけで,そんな時には,Apollo Twin(実売8万〜10万円弱)は,かなりお得な選択。

さらに,標準パッケージに同梱されている「UA 610-B」が違うなと思った時には,Neve 1073やAPI Vision Channel Stripのプラグインを使う事もできます。

これらのプラグインは有料(299ドル)ですが,本物が20〜30万程度の価格で,それなりに場所をとることも考え合わせれば,Apollo Twinのコストパフォーマンスはかなり高いと言えます。

 

本物のマイクプリの使用感に近い「Unisonテクノロジー」

Apollo Twinのマイクプリ機能についても,プラグインを使っている事に変わり無いのですが,マイクプリアンプのモデリングを行う「Unison™ テクノロジー」により,その使用感は,かなりリアルなマイクプリに近いものになっています。

ちなみに,UAのコンソール上でマイクプリのオンオフを行うと,Apollo Twinの中のスイッチが機械的に切り替わる音が聞こえます。

これは完全にソフトウェア・ベースとするのではなく,必要なところでハードウェア・スイッチを採用しているためではないかと思われます。

おそらく,このインターフェイスのレスポンスの良さ,レイテンシーの少なさは,このUnisonテクノロジーとThunderbolt接続が,かなりの貢献をしているのでしょう。

リアルなアンプを使えない場合のギターのレコーディングで,できるだけ本物のアンプに近い弾き心地をキープしたい,あるいは,コストを押さえたいのであれば,Apollo Twinは賢い選択の一つだと思います。

 

次回はエレガット

ここまで,しっかりとしたマイクプリ・サウンドが使えるとなれば,エレガットとの相性も良さそうだ,という事で,エレガットで作ってみました。

これがまた,予想以上の結果でした。

ということで,次回はピエゾ・ピックアップのエレガットでのサウンドと使い心地をレポートします。

お楽しみに。


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著者紹介

廣瀬 昌明

ギタリスト,アレンジ,プロデュース。

BRAINSOUT」「イガバンBB」「Kaoru」など。

アーティストのサポート/レコーディング,TVエンディングテーマ,CMその他制作多数。

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