UniversalAudioのApollo Twinを使ってみた!
UAD Apollo Twinレビュー【クランチ〜ディストーション1】

2014/10/07

ギター/ベースのレコーディングに最適なUAD Apollo Twin,Softube「Amp Room Half-Stack」,JamesTyler Classicの組み合わせでクランチ〜ディストーション・サウンドを作ってみました。

UAD Apollo Twinレビュー【クランチ〜ディストーション1】

さて,前回はS-S-Hのストラトでのクリーントーンでした。

今回は同じギターで,Softubeのアンプシミュレーターでクランチ・サウンド,ディストーション・サウンドを作ってみました。

 


クランチ〜ディストーション1(James Tyler Classic)

「クリーントーン2」で使った,James Tyler ’91 Classicで,今度は歪みの音色を作ってみます。

こちらではフロントとリアを切り替えています。

アンプシミュレーターはApollo Twinに付属している「Softube Amp Room Essentials」を使っています。

「Softube Amp Room Essentials」には,”Amp Room Half-Stack”と”Bass Amp Room 8x10”の2種類があり,今回はMarshallをエミュレートした”Amp Room Half-Stack”を使って,クランチ,ディストーション・サウンドを作っています。

”Amp Room Half-Stack”のプリセットはクリーン,ダーティ,ディストーションの3種類と,そのシングルコイル・バージョン,ハンバッキング・バージョンがあり,全部で6種類収録されています。

 

James Tyler Classic+Softube Amp Room Half-Stack

プリセット:クリーン シングルコイル

クリーンの設定ですが,Marshallライクなビンテージ・スタックなので,ザラッとしています。

弾いた感じ,状態の良いリアルのMarshallアンプよりは,ほーんの少しだけ反応にラグがあるようにも感じますが,実際のアンプでも,これよりアタックが早いものも遅いものもあることを考えると,十分許容範囲で違和感無く弾くことができます。

プリセット:ダーティ シングルコイル

ダーティ設定はクランチ・サウンドですね。

 

クリーンよりは歪んでいますが,コンプがかかるほどではありません。

ざらつきのきめが細かくなった感じです。

ちょっと元気のいいブルース・ロック曲には,かなり収まりが良さそうです。

プリセット:ディストーション シングルコイル

もっと歪んだロックなサウンドで,アームを使っています。

これくらい歪ませるとコンプ感がでてきますが,それも全体では無く,割と低域中域の美味しいところにコンプ感があるのがいい感じでした。

このギターはリアがハンバッキングで,その構成でシングルコイル用の設定を使いましたが,色味は多少違うものの,良い部分も出ていました。

実際にプレイするときには,アンプのセッティングは一種類で,チャンネルの切り替えやエフェクターで調整したりもするわけで,S-S-Hのピックアップ構成だからといって,使えないわけではありません。

おそらく,それぞれのピックアップに最適化した設定と言うことなのだと思います。

 

ここまでストラト方向のS-S-H構成のギターで3種類の音を作りましたが,すべてに610マイクプリを通しています。これがあると無いとでは,音のつや感がかなり違います。

今日使ったギターはJames Tyler Classicでしたが,このギターは基本的にS-S-Hのストラトのサウンドを,よりプレイヤブルな処理を施したコンポーネントという音がします。

今回はこのギターで,プリセットはシングルコイル用で音を作ってみたのですが,ストラト系ギターでは重要なトレードマークになる,”ちょい歪み,中間歪み”の時に出てくるベルトーンも忠実に美味しく再現されています。

この辺にも610マイクプリの貢献度がうかがえました。

実際,他のギター・アンプ・シミュレーターでは,ハードウェアであろうが,ソフトウェアであろうが,使える音はほとんどの場合,ディストーション・サウンドになります。

クランチや,今回のクリーンくらいのサウンドになると,音が急激にすかすかになって,リアルアンプを弾いている感覚はゼロになることが多いです。

今回のApollo Twinでは,本来ギタリストが欲しかった,スタック・サウンドのクリーンとクランチが簡単に出せるというのも大きなポイントです。

 

「Softube Amp Room Essentials」について

今回試したのは,Apollo Twinに付属している機能限定バージョンの「Softube Amp Room Essentials」で,これにはギター用のハーフ・スタック,ベース・アンプの2種類が収録されています。

「Amp Room Half-Stack」については,どのサウンドでも減衰感が自然で弾きやすいサウンドでした。

マーシャルタイプのアンプの場合,音が消えていく減衰音とアンプのノイズがクロス・フェイドする事も重要な特性の一つですが,そのノイズも嫌みでは無いレベルで再現されています。

シングルコイルのピックアップのグッド・サウンドには,この減衰感とノイズという部分も少なからず含まれています。

なんでもかんでもノイズが無ければいいという事じゃ無いんですね。

もっとヘビーゲインのサウンドで,リミッターをかけて,オンとオフの差をきっちりつけてしまうサウンドもありますが,そもそものギターアンプ(特にマーシャル系)の音にはノイズはつきものです。

その意味でも「Amp Room Half-Stack」は,リアルなビンテージ・アンプを忠実に再現しているように思います。それも,かなり程度の良いビンテージ・アンプをモデリングしたのでは無いでしょうか。

マーシャルはどこのスタジオにもあるものですが,実は状態の良いアンプは少なかったりします。

レコーディング時に,コンディションの解らないレンタルのマーシャルを使うくらいなら,このApollo Twinと「Amp Room Half-Stack」の組み合わせというのも一つの選択肢だと思いました。

なお,アップグレード版の「Softube® Vintage Amp Room」には,フルスタックのMarshallライクな「White」の他,Fenderライクな「Brown」,VOXライクな「Green」のビンテージをエミュレートした機能も収録されています。

おそらくですが,Softubeの「Vintage Amp Room」に関しては,TDMの他,VST,Audio Units, RTASの各フォーマットのプラグインも発売されていて,一定の評価を得ているエミュレート・プラグイン製品なわけで,それ自体はUAD版でも大きく異なっている部分はあまり無いのではないかと思います。

ただ,Apollo Twinの場合には,この「Vintage Amp Room」プラグインの前に,Unison™ テクノロジーを使ったマイクプリを挟むことができることが,他のプラットフォームとの違いになります。

これは今回とりあげた,クランチ,ディストーション・サウンドでも,かなり有効に感じました。

一つの音を聴いて,この音質がSoftube由来のものなのか,Apollo Twinのマイクプリ(今回は610)によるものなのかを判定するのは難しいと思いますが,前回,前々回の「クリーントーン1」「クリーントーン2」でのサンプルサウンドも参考にしてみてください。

次回はハンバッキングのFender Thinlineでクランチ〜ディストーション・サウンドを作ってみます。

それではまた。

その他の関連記事

・UAD Apollo Twinレビュー【基本編】
・UAD Apollo Twinレビュー【クリーントーン1】
・UAD Apollo Twinレビュー【クリーントーン2】
・UAD Apollo Twinレビュー【クランチ~ディストーション1】
・UAD Apollo Twinレビュー【クランチ~ディストーション2】
・UAD Apollo Twinレビュー【ガット(ピエゾ)】

 


 

 

共有

著者紹介

廣瀬 昌明

ギタリスト,アレンジ,プロデュース。

BRAINSOUT」「イガバンBB」「Kaoru」など。

アーティストのサポート/レコーディング,TVエンディングテーマ,CMその他制作多数。

新着

ページトップへ