ライブを撮って、みんなに見せようぜ!
Vegas Movie Studio 第7回 編集ソフトを使ってみよう【4】音量/アップロード

2012/06/12

編集ソフトVegasMovieStudioを使って、音量をコントロールして作品をYouTubeにUPしよう。

前回は基本的な「切って貼る」編集を紹介した。その中で音楽ライブ特有の曲の途中でつなぐことに留意しながら長さを変える方法をやってみた。

極端に言えば、切って貼るだけなら付属ソフトでも十分いけるのだが、スムーズなつなぎ目を作る意味で、この基本作業だけでも編集ソフトの優位性がわかってもらえたと思う。

今回はできるだけ早くアップロードできるように、最低限の体裁を整えてアップロードしてみよう。

音声トラックのレベルを調整しよう

今回の録音は、このようにトラックを拡大しても「やっと判る」くらい波形が小さい=レベルが小さい。
まずは、これを適正なレベルまで上げる。



どれくらい小さいかレベルを見る

現在何も手をつけていなければ、トラックのフェーダーは0、マスターフェーダーも0(0とは+-0=ニュートラル。下げきった位置ではない)になっているはずだ。
下図はマスターフェーダーとレベルメーターであるが、メーターの下の数字は現在のマスターフェーダーの位置。上の数字は〝ヘッドルーム〟=最大限まで余裕=を示している。



一回再生させると、最大値を示して止まる。レベルの高いほうをみると現在-22.6dBとなっている。これは「あと22.6dB上げても大丈夫」という意味だ。
逆に言えば、こんなにレベルが低いのは問題だ。

とりあえずフェーダーで調整してみる。

大抵音楽物ならば、レベルは最大でまず問題ない。
まずはチャンネルのフェーダー(ボリウム)を上げる

上げるのはスライダーをドラッグしてもいいし、数値をダブルクリックして直接値を入れてもいい。


それで足りなければマスターフェーダーを上げる。しかし、マスターフェーダーはほかのトラックも当然ながらあがる。アナログミキサーほどではないが、エフェクターなどを使う場合はノイズもあがる可能性もあるので、あくまで「最後の手段」だ。


ただし、チャンネルフェーダーも+12dBまでしかいかない。

プラグインエフェクターを使ってあげる方法もあるが、それはまたの機会に。。



禁断の技『ノーマライズ』

ノーマライズとは、今あるファイルの最大値(ピーク)を検出し、最大まで引き上げる機能。
下図を見てほしい



編集点を境に左がノーマライズ済み、右は元のままだ。
VegasMovieStudioでは非破壊でノーマライズするので、イベントごとに設定できる。
ただし、元のファイル全体に対してレベル検知を行うので、使っていない部分に大きなピークなどがあるとそこを最大値とするので、思ったようにレベルがあがらないこともある。

やり方は、ノーマライズしたいイベントを右クリックしてメニューを出して[スイッチ]→[ノーマライズ]でOK。

 

また、VegasMovieStudioでは最大値の設定もできるので「ある程度大きく」ということもできる。

その際はメニューバーの[オプション]→[ユーザー設定]→[オーディオ]の中に設定項目がある。

 

編集点で起きるレベルの差

 ノーマライズした場合、上図のように編集点の前後でレベルが異なることがある。顕著な例は片方は「ノーマライズ済み」「片方は未処理」といった場合だが、詳細な編集をした後ノーマライズを行うと、レベル差を埋めるだけで大変な手間がかかる。

もし、レベル調整でノーマライズを活用する場合は、細かな編集に入る前に使うファイルを並べたら、その時点でノーマライズするほうがいい。

 

安直にノーマライズに頼るべからず

しかし、簡単にレベルが最大値にできるので、小さく録って安易にノーマライズする人がいるが、いい方法ではない。
レベルを小さく録ってあると、分解能(深度)をフルに活用していない。それを無理やり引っ張るので「荒れた音」になってしまうのだ。

だから、ノーマライズは最終手段としてほしい。

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著者紹介

満田恒春

満田 恒春(ミツダ ツネハル)

東京生まれ。アルファレコード録音部でレコーディングエンジニアとしてのキャリアをスタートさせる。

その後、スタジオツーツーワン、ゲッツというプロフェッショナルスタジオで経験を積み渡米。名手アルシュミット氏の下で修行を積みながらロバートフォルクらとセッションを重ねる。帰国後フリーランスエンジニアとして、レコーディング/ミキシング/プロデューシングの活動をしながら、映像/グラフィックの制作も行っている。

代表作

KinKi Kids 「H」
朝崎郁恵「うたじま」
レ・フレール「Boogie on Quatre-Mains」
アイアートモレイラ「Bisible sound」
安部恭弘「ポーチの天使」
UZA
ゲゲゲの鬼太郎テーマ
テニスの王子様シリーズ

ほか多数。

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