君のいない時

伊勢 詩織 2011/12/21
もう二度と

逢えなくなると知った

あの夏の終わりに

置き去りにしてきたはずの

悲しみを

冷たくなった風が届けた


あれから12年

港から打ち上がる花火を

二人で観てたのは


おとなしめの China dress

君は見事に着こなして

もうすぐ始まるよと

夕暮れる人混みの公園を

急ぎ足で僕の手を引いた


あの時、見せた

振り向き際の微笑みを

今でも忘れられずに


あの頃、覚えたばかりで

唄ってくれた

海岸通


馬車道あたりの店で

ギターを弾いて

唄っていることを

知らせる術もないままに


君のいない時だけが

ずっと刻まれていく


二人でまた

この街の花火を観ようと

別れ際の問い掛けに

微かに唇だけが動いた


by.伊勢 詩織

作品紹介・説明

1999年07月20日 国際花火大会

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