常夜灯

boyA 2017/10/30
1.
眺めのわるい 小さな窓に
窮屈そうに 差し込む月灯り

あなたをふいに 思い出すように
夜空を見上げてる

名前もない日々が 記憶のカレンダーに 刻まれてる
気の抜けた笑顔が いまも 笑いかけるから

帰れない あの場所で わたしはまだ待ってる
宛名のない「おかえり」が この胸の隙間にある

帰れない あの日のままで カレンダーをめくれずに
約束のない明日まで またひとり眠るだけ


2.
蛍光灯の 白い灯りが
部屋の余白を 寂しく照らしてる

あなたのために 何が出来たか
わたしに問いかける

とりとめない場面が 記憶のスクリーンに 焼き付いてる
温かな右手が 肩を 叩いた気がした

帰れない あの場所で わたしはまだ待ってる
宛名のない「おかえり」だけ 奥歯に握りしめてる

帰れない あの場所にだけ わたしたちは生きている
悴む心に手を当て 思い出をくべるだけ


どれだけ月がまるく満ちても
欠けた心の 翳りを満たせない
それでも見放さない 常夜灯


帰れない あの場所に あなたはもういないと
受け止めることもできない 意気地ないわたしだけど

星のない 長い夜にも 月灯りが見つめてる
頼りないこの足元と 行き先を照らすから
いまひとり 歩き出す

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