キタの外れ一駅歩けば
通りに木造のピッツェリア
通い詰めてた頃があった
薪を焚べてピザを焼いてた
直向きなあいつの事を僕は
頭の中 店の名前で呼んでた
真っ直ぐに見るあいつの眼は
僕にはあまりに眩し過ぎた
おあいそでさえ思わず眼を逸らしてた
それでも窓越しに通り様
あいつの姿を見つければ
落ち込んでてもそれなりに癒えた
あの日賑やかだったピッツェリアは
静かでお洒落なカフェになってた
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
あいつは今どんなピッツェリアで客を見てるんだ
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
あんな賑わったはずだった いつの間に消えた
ある時期未曾有の疫病が
世界中で蔓延り続けた
閉店ラッシュがニュースになった
容易く出歩けもしなかった
やっと二年振りに立ち寄れば
中味は打ちっ放しのコンクリートさ
攻めた値段のマルゲリータ
酸味強い目のサングリア
ガーリックの効いたアンティパスト
メニューはクリアしたはずだった
店はまるごとクリアされた
あいつの姿だけがクリアされないんだ
数年前の年末の営業案内から
ツイートもインスタも更新されないまま
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
あいつは今どこのピッツェリアで薪を焚べるんだ
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
あんな想いの詰まった味はもう会えないんだ
恋心と言うにはあいつを知らなかった
気のせいにするにはあいつは熱過ぎた
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
どこかで教えてよ 新しい店が決まったら
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
次会う日は胸張れる様に頑張ってみるからさ
Good-bye, Bastone
Good-bye, Bastone
Good-bye... Bastone.
※無断転載禁止
上記の詞について全ての権利は作者である会員が権利を保有します。
作者に無断での使用、転載は出来ませんので、ご使用になりたい場合には、作者に直接お問い合わせ下さい。
作品紹介・説明
キー E♭M
属性 +