意識を取り戻したとき
私はどこか暗い場所にいた
少し先に光がある…
あれは…大きな街灯のようだ
どことなく見覚えがある…?
いやこの風景は
よく立ち寄った公園だろう
“黒い星”に吸い込まれて
ここに辿り着いたというのか
どんな理窟かは知らない
だが“時間を超越”したこと
それだけは確からしい…
意識を保てなかったが
結局はうまくいったようだ
果たして今は何年の
何月なのだろう
夕暮れの公園を見渡す…
この広場の中央には
確か…そう時計台があった
年月も時間も分かる
それによると“ある年の冬”で
時刻を確かめたなら…
そこで一瞬にして
記憶がよみがえる
“大きな目的”さえも
私は研究者で
この時切迫しながら
ある研究を行っていたのだ
それは“肉体から
意識を分離する”
というもので…
そうだ今日は近くにある
あの海を眺めに行ってから
研究所に戻ってきて
実験を成功させた日だ
ちょうどいまこの時間に…
「肉体に終わりがきても
どうにか生きながらえないのか」
その一つの答えが出た
私はその存在になった
人類が絶滅する
3日前のことだった…
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作品紹介・説明
時間の潮汐の第5章となります。
黒い星に吸い込まれた“ある意識”が
時間を超越してたどり着いた場所とは…。
第1章よりも少しだけ前の、
すなわち自分が生きていた時間でした。
そして自分のことや目的も思い出し…。
なぜ誰もいなくなったのか。
次の章で明らかにして今年をしめくくりたいと思います^^