That Cat Is High

G Force

作品紹介・説明

【曲説】=====

The Ink Spots(インクスポッツ)というアフリカ系アメリカ黒人のヴォーカルグループが1938年にリリースした、ちょっとコミカルな曲です。それをマンハッタン・トランスファーのカヴァーを基にしたのが今回のバージョンです。

タイトルに「ネコ」とありますが、これはいろいろ含み・思わせぶりなタイトル・歌詞なんです。歌詞の通りに受け取れば、通りをふらふらしている酔っぱらいを、マタタビでも舐めたような猫に例えた歌詞になっています。思わせぶりなのは、実は酒じゃなくて大麻でハイになった人をみて、それを茶化しているとも受け取れる歌なんです。

英語詞にはけっこうこの手のレトリックはたくさんあります。見た目、きれいな言葉が並んでいるんですが、隠語的解釈をするとかなり下ネタな内容だったり、この曲のようにドラッグでハイになっている歌だったり(^^;)

作ったのは J. Mayo ”INK" Williams。1920年代からレコードのプロデューサーとしてDecca や Paramount、Vocalion といったレコード会社で活躍していた人です。

ブルース音楽ビジネスの先駆的なアフリカ系アメリカ人プロデューサーでした。レコーディング契約で才能のあるアフリカ系アメリカ人ミュージシャンを発掘して契約(ペンで署名・サイン)を獲ってくるので「インク」というニックネームとなった、いかにもあの時代らしいエピソードがあります。

Count Basie、Louis Jordan などのプロデュースを手掛けたり、Corrina, Corrina、How Long Blues、Jambalaya などの曲も書いています。

この曲を最初にレコーディングしたのは、The Ink Spots (インクの染み)といって、アフリカ系ヴォーカル・グループの草分けで、R&B、ドゥーワップ、ロックンロールの先駆者として知られています。ちなみに・・・僕はDoo Wap系も好きで、そのコンピレーションアルバムの中で彼らを知りました。

38年に結成され、39~49年にはなんと19曲がトップ10入り。黒人グループの音楽をメジャーにした立役者の一つだったと思います。

ちなみに、インクスポッツがこの曲の翌年、1939年に1900万枚!の大ヒットとなった "If I Didn't Care"という曲は、「ブレードランナー」「レイジングブル」「ショーシャンクの空に」など錚々たる映画で使用されています。

【訳詞】=====

ヘイみんな!甘い蜜でとろけそうだぜ!イエーイ

あいつ、ハイだぜ
見なよ、あいつの眼!
あいつ、ハイだぜ
凧より高く舞い上がってるよ

通りをふらふら歩いてる
酔っぱらってるのがバレバレ
靴も履いてないし

あいつ、ハイだぜ
おれの言ったとおりさ
あの男はハイだよ
凧より高く舞い上がってるぜ

あいつはハイだぜ
見てみろよ、あいつの黒い瞳を
嘘なんかじゃないさ
凧より高く舞い上がってるぜ

このブロック中を
うろついてるだろ
もうへろへろさ
座り込んじまったよ

あいつはハイだぜ
見てみろよ、あいつの黒い瞳を
ほら、まいったな
空より高く舞い上がってるぜ

【ジャケ絵】=====

酔っ払いの絵は手元にないので・・・猫つながりで・・・
製図ペンと墨汁と筆で描いてます。

プロダクト説明

【制作裏話】=====

実はこの曲をやりたかった最大の理由は・・・間奏なんです。
すごく短い間奏で、前半がアコースティックギターで後半がピアノ・・・まずこのギターソロのフレーズと音の雰囲気。これがものすごく黒人のストラムギターっぽいんです。

大学時代に、休日にシカゴ南部に住んでいる黒人の友達の家に行ったんです。その時に彼のお父さんが、僕がギターを弾いているのを聞いて、地下室から弦もさび付いたボロボロのギターを持ってきました。それで何か弾いてくれというわけです。ところが、弦は錆びてて2弦なんか切れてるし、ネックも反っちゃっててフレット音痴・・・とてもまともに弾けませんでした。

そしたらお父さん、ギターはまったく弾けない人なんですが、そのボロギターを抱え込んだら・・・ただコードも押さえずに、指でギターを「ジャッジャッジャ・・・」とリズムをかき鳴らして、これまたサッチモのような渋いしゃがれ声で即興で鼻歌を歌いだしました。歌詞はほんとにたわいのない内容で、曰く・・・「俺は貧乏だったさ、でも娘にこのギターを買ってやったんだ。でも娘はちっともギターに興味なくて、そんでこのギターはさび付いたのさ・・・」みたいな歌詞です。

ところが・・・それが、めっちゃカッコいいブルースになってるんですよ(@_@) 僕はこの時、ギターはリズム楽器になるんだ!コードや理論なんて関係ないんだ・・・音楽ってその人の人生からしみだしてくるものなんだ!!って衝撃と感銘を受けました・・・

話が長くなりましたが、そんなギターソロの雰囲気と、ちょっと寸詰まった安っぽいギターの音で弾きたかったです。なので、打ち込みとデジタル音源でそういう音も技術もないので、今回もソロは自分で手弾きました。ラインどりはせず、Vocal用のマイクでサウンドホールを避けたフィンガーボードの上あたりを狙って。

ギターソロに続くピアノソロも同様で、チューニングがずれた、素朴でホンキートンクなソロフレーズにしたくて、これも無謀にも自分で弾きました。打ち込むとどうしてもリズムのずれも人工的というか、しっくりこなかったので最後の手段・・・(^^;)
もちろん、ピアノはまともに弾けないので、左手のコードは打ち込みで逃げてますけど・・・右手パートは僕が弾いてるので、下手なのは狙い通りです!(いばるなよ・・・(>_<)

あと歌です。マンハッタントランスファーは緻密にアレンジされたハーモニーですけど、ここもこの曲の背景を考えて、ほぼアドリブのハーモニーにしました。なので全体の構成はマンハッタントランスファーバージョンなんですけど、コーラスアレンジの細部はけっこう適当です<m(__)m>

古い音楽ですけれど、その当時のこの曲を歌い、聴いていた人たちのメンタリティに思いを馳せながらやってみた曲です。なので正確性や技術は横においといて、雰囲気で楽しく聴いていただけたらと思います(言い訳・・・<m(__)m>

オーディオトラック
・リードヴォーカル
・コーラス上
・コーラス中
・コーラス下
・コーラス上サブ
・コーラス中サブ
・アコースティックギター 計7トラック

MIDIトラック
・アコースティックベース
・スタンダードドラムキット
・ピアノ
・ガットギター
・3ホーンセクション
・テナーSAX
・アルトSAX   計7トラック

オーディオI/F:Presonus
MIDI キーボード:Roland
アコースティックギター:Epiphone EL-00

使用したプロダクト

マイク
RODE NT
モニター
MACKIE HR, SONY SMC MDR
コンピュータ
Windows PC Windows PC
音楽制作アプリケーション
PreSonus Studio One

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  • "The Cat is High"
2019/08/31 00:50