鳩(インスト)
- クラシック
- 24 再生
クレジット ORIGINAL
- 作詞
- なし
- 作曲
- Genshiro
- 編曲
- Genshiro
作品紹介
組曲 『氷炎伝説』 XIII. 鳩
銃弾が羽をかすめたにもかかわらず、伝書鳩はヒコンの部屋の窓枠に
たたずんでいました。鳩はヒコンの返信を催促するように、クックルー
と鳴きます。
「ありがとう。助かった」ヒコンはそれだけ書いた紙片を、鳩の足に
付いたクリーム色のクリップに挟みました。鳩は飛び立ちました。
さっきの嵐は夕立だったらしく、雨は止んでいました。
ところが、それからものの二十分もすると、鳩は帰って来るのでした。
「よかった。でも逃げて。逢坂の町を出るのよ」相手は女のようです。
「そなたは誰だ?なぜ俺のことを知っている?」
「それは知ってはなりませぬ。夜が明けぬうちに早く。左様なら」
夜が明ければ町の人は蝉丸の死体を発見するでしょう。警察が来ますが、
大文字の手下となっている警察は、ヒコンを逮捕するでしょう。そうな
れば、生きて帰っては来れません。
第二の故郷と思っていた逢坂。この町まで捨てろと...?
「否。」
やぶれかぶれになったヒコンが、夜の明けぬうちに目指したのは、
大文字邸でした。鳩を介して言葉を交わした女の助言に従わないことは
心苦しかったのですが、昨日まで恩師と思っていた大文字と刺し違える
覚悟はできていました。(つづく)
コメント6
コメントを読むには、ログインが必要です。