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連作歌曲『哀歌』(2007/2010)より、3-6楽章

  • クラシック
  • 23 再生

この曲の歌詞

第3楽章:『けもの達のお話』
※作曲者により後半部を削除
※この詩のみ『哀歌』からの引用ではない

いつも遠くにあるものばかり欲しかった。
 目を閉じると
 見えないけものが見える。
 けもの達と 遊ぶ真昼。

けものたちも
 遠くにあるものと同じ、青い色を――

私は屡々、夕方と明け方をとり違えた。
 ねむの木に、蝙蝠(コウモリ)がぶら下っている。

第4楽章:『討つ』
※作曲者により一部に繰り返し

逃げていく白い海を追いながら
 逃げていく白い海を追いながら
 追いかけないために
 重いロープで
 手や足を縛めてみるのです。

いつのまにか
 私を支えてくれる
 蝶達を

最後の意志で殺しつくして
 いつも引裂かれている私は
 祈るしか
 ――なくなるのです。

第5楽章:『苦痛』
※作曲者により後半部を削除

すると 鉄ぐしをつきさした
 痛みがはじまる
 灰色の夜明けに
 肺胞のような
 うつろな空洞がたくさんあって
 冷たい北西のすきま風
 こんなに明るいのに
 なぜ何もないのかしら

空洞のひとつひとつに
 原始の人のように
 わたしがうずくまっている

赤々と燃える火だけはなくて
 空洞の痛みが
 わたしの中を走る

第6楽章:『叫び』
※作曲者により一部削除

今 開いた
 原色の花
 嘔吐
 まわりの色が
 褪せていく

けして許さない人を
 抱きおこすと
 死臭が
 あたりに満ちた
 かびのはえた空気の中で

ひざまづくと
 叫びの欲望がねじれながら
 たちのぼっていく

クレジット ORIGINAL

作詞
伊賀史絵
作曲
rei
編曲

作品紹介

もう10年以上前の曲です。当時ネットに公開されていた、ある夭折された詩人さんの詩に曲をつけたものです。3-6楽章は当時音源化に至らず、今回NEUTRINOプロジェクトで作られたボーカロイドMerrrowを使用しています。
楽章としたのは、この曲集の構成がマーラーのなき子を偲ぶ歌と大地の歌参考にしてあるからです。
詩の内容は、詩人の現代詩集『哀歌』から抜粋したものなのですか、3楽章だけはそもそも『哀歌』ではなく詩人の私的な日記にのみ記載された詩のような文章からとったものです。この楽章をスケルツォに見立てています。4楽章以降は詩人の『晩年』の詩で、晩年といっても10代後半だったようですが、徐々に自死に向かっていく最中の詩を時系列で3つ抜粋していますが、徐々に詩の内容が重くグロテスクになるのに合わせて楽想も変えています。(分類はとりあえずクラシックにしてありますが、ロマン派とも感じは違いますし、近現代音楽とも違い調性音楽です。どちらかというとアウトサイダーな調性ロック曲のような形に近いと思います。)

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