Ito_Wokashi
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この曲の歌詞
『いと、をかし』
流れていくものがあった。
忘れ去られていくものがあった。
失われていくものがあった。
どれだけの血が流されても
それは続けられなければならなかった。
そうでなければならないと人々は信じていた。
だから、それは続けられた。
気づけば、そのために、多くのものが失われていた。
とるにたらない
しかし、かけがえのないものが消えていった。
けれど、やめることはできなかった。
人々はもはやそのことの内側からしか、
ものを見ることができなかったから。
多くのものが作られた。
それは輝かしい光に満ちていた。
人と人の間は見えない線で結ばれた。
街と街の間は鉄の通路で結ばれた。
国と国の間は巨大な黒い鳥によって結ばれた。
街には笑い声が満ちた。
叫び声にも似た笑い声だったけれど。
雄叫びにも似た笑い声だったけれど。
確かにそれは笑い声に違いなかった。
大勢の他人が一斉に笑っているように
見えたからだ。
もちろん、誰もが知っていた。
楽しみながら苦しんでいることに。
笑いながら助けを求めていることに。
けれど、もはや誰も止められなかった。
誰かが操っているのではなかった。
自らが自らをそれと知らずに
操っているだけだった。
昔夢見た黒幕は存在していなかった。
言ってみれば、黒幕はそこにおだやかに立つ
自分自身だったから。
どこにも救いはないように思えた。
救いに見えたものは、
たいてい救いと書かれたラベルにすぎなかった。
人々が黙々と歩み続ける
ただ、その中で歩き続けることだけが、
救いのような気すらしてくるのだった。
そんな、あるとき、一人の少年が
砂埃のなかに舞う蝶の幻を見る。
幻に過ぎなかったが、それは蝶に違いなかった。
ゆらゆらと羽が光の中に見え隠れした。
ああ、と少年は思った。
そう、昔の人ならこう言ったはずだ。
そう、昔の人ならこう言ったはずだ。
いと、をかし。
その時、少年の目から何かがあふれだした。
さわってはいけないものにふれたからではない。
禁じられているものにふれたからではない。
そこに今まであったものに
気づかなかったことに気づいたからだった。
そこに今まであったものを
感じずにいたことに気づいたからだった。
自分が生きているということすら
気づかずに生きていたことに気づいたからだった。
肌の中から、
瞳の奥から、
体の芯から、
何かが流れ出した。
ほんとうにかすかな音だった。
そう、それは少年の声だった。
それは少年の心の言葉だった。
いと、をかし。
いと、をかし。
いと、をかし。
クレジット ORIGINAL
- 作詞
- T2on
- 作曲
- TheWoo
- 編曲
- TheWoo
作品紹介
もう何年も前に一度アップしたオリジナルですが、
諸々の事情で消えてしまっていたので、尺を短くしてミックスし直しました。
それでも5分なので、退屈かもしれません(^^;
ジャンルは、、、ポエムリーディングかなぁ???
昔の同僚に作詞していただき、スキャットは今は消息不明なのですが
たしか看護師の方に入れていただきました。
オリジナルのうえ、尺が長めなので再アップに躊躇しましたが、よろしかったらお聴きくださいm(__)m
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