ヒースの散歩道
- クラシック
- 33 再生
クレジット ORIGINAL
- 作詞
- 作曲
- つる
- 編曲
作品紹介
ヒースの風は冷たく、
彼の古い上着の裾を静かに揺らすだけだった。
足元に続く細道は、
人が作ったものではない。
ただ誰かが歩き、草が踏みならされ、
長い年月をかけて
自然に浮かび上がった一本の筋だ。
老人はただ、その踏み跡をたどっていた。
私にすべきことは無かった
胸の奥で、その言葉がぽつりと落ちた。
波風を立てることもなく、
静かな水面に沈む小石のように。
彼は歩いていたが、景色を見てはいなかった。
どこまでも続く紫がかった茶色の荒野も、
低く垂れ込めた灰色の雲も、
彼にとってはただの「背景」に過ぎなかった。
視線は足元から少し先の地面に落ちたまま、
思考だけが遠い昔の、
あるいはどこでもない時間の中を漂っている。
若かった頃、
自分には成し遂げるべき何かがあると
思っていた気がする。
誰かを救うこと、何かを遺すこと、
あるいは特別な何かになること。
しかし、過ぎ去ってみれば、
世界は自分という存在を必要と
していなかったし、
自分もまた世界に何も残さなかった。
だが、それは絶望というほど
激しいものではなかった。
ただ、深い寂しさと、静かなあきらめ。
ふと足が止まる。
彼は振り返らない。
ただ背中で冷たい風を受け止めながら、
再びゆっくりと一歩を踏み出した。
その足跡もまた、
いずれヒースの草に埋もれ、
消えていくのだろう。
『ヒースの散歩道』
作曲・マウス打ち込み つる
文 つる・AIとの合作
画像 AI
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