歌詞・ポエム
心に浮かんだ言葉や想いを、音楽へ。
「おい、居たのか!!」
「いや、こっちには居ねぇ!あのガキめ、どこに消えやがった。地下牢付近に張りつかせて
おいた見回りにも連絡がつかんぞ」
「その上、当主様はあんなことになっちまうし……一体なにがどうなってるんだ!くそっ……。
「いや、こっちには居ねぇ!あのガキめ、どこに消えやがった。地下牢付近に張りつかせて
おいた見回りにも連絡がつかんぞ」
「その上、当主様はあんなことになっちまうし……一体なにがどうなってるんだ!くそっ……。
185
コメント数: 0
僕が“脱獄”してしばらく経ったが、屋敷内が慌ただしくなることは、今のところないようだ。
よし、知っている場所に出た。ここからは――。
「お前……地下牢にぶち込まれたはずだぞ!どうやってここに!!」
見回りの隙を見計らい、路地を近道して通り抜けようとしたのだが、タイミングがまずかった。
よし、知っている場所に出た。ここからは――。
「お前……地下牢にぶち込まれたはずだぞ!どうやってここに!!」
見回りの隙を見計らい、路地を近道して通り抜けようとしたのだが、タイミングがまずかった。
158
コメント数: 0
ここは牢ではなかったのだろうか。
すでに体全体を開き降伏の意を示した扉の、その隙間を覗き込んでみる。人は……いない。
だが、他の部屋の様子がこことは違う。外に見えるのは、いわゆる鉄格子の牢だった。
やはり、ここは牢で間違いない。しかし、僕だけなぜ、こんな妙な部屋に監禁されていたんだ。
すでに体全体を開き降伏の意を示した扉の、その隙間を覗き込んでみる。人は……いない。
だが、他の部屋の様子がこことは違う。外に見えるのは、いわゆる鉄格子の牢だった。
やはり、ここは牢で間違いない。しかし、僕だけなぜ、こんな妙な部屋に監禁されていたんだ。
155
コメント数: 0
今日だけですでに二度も散々痛めつけられ、すっかり、いたぶられ癖がついてしまった僕は、
今度こそ明るく悪趣味な部屋ではなく、ジメジメとした薄暗い場所で目を覚ました。
申し訳程度に灯された灯りが、固い寝台から半身を起した僕の後ろ側に、ぼんやりとした
僕の影を作りだしている。
今度こそ明るく悪趣味な部屋ではなく、ジメジメとした薄暗い場所で目を覚ました。
申し訳程度に灯された灯りが、固い寝台から半身を起した僕の後ろ側に、ぼんやりとした
僕の影を作りだしている。
185
コメント数: 0
その晩から数日が経った、ある日の早朝――彼女が脱走を図った。
しかし、屋敷を抜け出すどころか、部屋を抜け出してまもなく、すぐに捕まってしまったという。
それとちょうど同じ頃か、その少し前くらいに、僕はあの晩に彼女と出会った部屋を探していた。
暗闇の中、おそらく歩いたと思われる道をなんとかたどりつつ、屋敷をさまよいながらようやく
しかし、屋敷を抜け出すどころか、部屋を抜け出してまもなく、すぐに捕まってしまったという。
それとちょうど同じ頃か、その少し前くらいに、僕はあの晩に彼女と出会った部屋を探していた。
暗闇の中、おそらく歩いたと思われる道をなんとかたどりつつ、屋敷をさまよいながらようやく
173
コメント数: 0
少女は人形だった。
いや、それは正しくない。
正しくは、人形のように扱われている、と言うべきだろうか。
どうやら彼女は、ジジイ……当主のお気に入りらしく、いつも綺麗な服を着せられては、
いや、それは正しくない。
正しくは、人形のように扱われている、と言うべきだろうか。
どうやら彼女は、ジジイ……当主のお気に入りらしく、いつも綺麗な服を着せられては、
172
コメント数: 0
それから、あっという間に月日は過ぎ、知らぬ間に背もずいぶん伸び、声も変わった。
ここに連れて来られて約三年と少し過ぎた頃、僕は大抵のことを一人でこなせるようになった。
「泣き言も言わず、ここまでよく耐えたものだ」
「アンタ……いえ、あなたのおかげです」
ここに連れて来られて約三年と少し過ぎた頃、僕は大抵のことを一人でこなせるようになった。
「泣き言も言わず、ここまでよく耐えたものだ」
「アンタ……いえ、あなたのおかげです」
144
コメント数: 0
僕が下層の人間でなければ、初めて乗った車や初めて見る景色に、感動したり興奮したり
したのだろうか。しかし、その時の僕は、故郷から無理矢理引き剥がされた失意と、これから
どうなるのかという不安で頭が一杯で、屋敷までの道のりも景色も覚えていなかった。
車が屋敷に到着すると、男(少女に出会った晩、話をした妙な男だ)が僕を連れて
したのだろうか。しかし、その時の僕は、故郷から無理矢理引き剥がされた失意と、これから
どうなるのかという不安で頭が一杯で、屋敷までの道のりも景色も覚えていなかった。
車が屋敷に到着すると、男(少女に出会った晩、話をした妙な男だ)が僕を連れて
176
コメント数: 0
……あ。
声こそ聞こえなかったが、抱えあげられる直前、微かに動いた唇がそう呟いた気がした。
なにが、どうなってる……?
でも、その声なき声の意味を探ろうとしたのが失敗だった。今は油断をして良い時ではなかった。
声こそ聞こえなかったが、抱えあげられる直前、微かに動いた唇がそう呟いた気がした。
なにが、どうなってる……?
でも、その声なき声の意味を探ろうとしたのが失敗だった。今は油断をして良い時ではなかった。
178
コメント数: 0
この国はまだ豊からしい。
なんの問題もなく食べられるものを、平気で廃棄処分するくらいには。
けれど、皮肉にもその現実が、飽食の世界の裏側で細々と生きる僕達の日々と、命を繋いでいる。
それに食べ物だけじゃなく、まだ使える衣服や物なども勿体ないことに(僕達には有難いことに)
なんの問題もなく食べられるものを、平気で廃棄処分するくらいには。
けれど、皮肉にもその現実が、飽食の世界の裏側で細々と生きる僕達の日々と、命を繋いでいる。
それに食べ物だけじゃなく、まだ使える衣服や物なども勿体ないことに(僕達には有難いことに)
195
コメント数: 0
僕は未だ屋敷の中で、再び帰る道を見失い、右往左往していた。
いくら暗いとはいえ、ここまで方向音痴っぷりを発揮してしまう自分にかなり泣けてくる。
屋敷内には所々、薄明かり程度にかがり火が灯されているものの、ついには見知らぬ場所に
出てきてしまっていた。
いくら暗いとはいえ、ここまで方向音痴っぷりを発揮してしまう自分にかなり泣けてくる。
屋敷内には所々、薄明かり程度にかがり火が灯されているものの、ついには見知らぬ場所に
出てきてしまっていた。
156
コメント数: 0
屋敷にたどり着くまでの間、僕は僕自身に何度問いかけただろう。
これから自分がしようとしている、そのことの意味を。もし失敗すれば確実に消される。
そうなれば爺さんも助からない。これからやろうとしていることは、そういうことなのだ。
それでも、行くのか。僕に、その覚悟があるっていうのか。
これから自分がしようとしている、そのことの意味を。もし失敗すれば確実に消される。
そうなれば爺さんも助からない。これからやろうとしていることは、そういうことなのだ。
それでも、行くのか。僕に、その覚悟があるっていうのか。
166
コメント数: 0
世界には大勢の人があふれている、という。
けれど、僕達の世界に関わりを持とうとする者は、ほとんどいない。
僕達の世界に関わりのない、たくさんの人間達。
彼らはそれぞれに世界を持っていて、誰もがその中で、それぞれに主役を演じているという。
けれど、僕達の世界に関わりを持とうとする者は、ほとんどいない。
僕達の世界に関わりのない、たくさんの人間達。
彼らはそれぞれに世界を持っていて、誰もがその中で、それぞれに主役を演じているという。
190
コメント数: 0
大きな影が爆音とともに、頭上を駆け抜けていく。
灰色がかった白線を空に残しながら、一機の飛行機が空の向こうに消えていく。
その姿を眺めることがいつからか、幼ない少年の日課になっていた。
少年は、そうして空を眺めることが大好きだった。
灰色がかった白線を空に残しながら、一機の飛行機が空の向こうに消えていく。
その姿を眺めることがいつからか、幼ない少年の日課になっていた。
少年は、そうして空を眺めることが大好きだった。
180
コメント数: 0
「……ってぇ……うぐ、げほ、げほ……!」
「なんだ、その目は……おらぁっ」
不意の衝撃を感じて数秒後、少年は自分の体が宙を舞い、そのまま地面に落ちたのだと知った。
口の中に、じわりと錆びた鉄のような匂いと味が広がる。あれ、この感覚、いつかどこかで……。
「なんだ、その目は……おらぁっ」
不意の衝撃を感じて数秒後、少年は自分の体が宙を舞い、そのまま地面に落ちたのだと知った。
口の中に、じわりと錆びた鉄のような匂いと味が広がる。あれ、この感覚、いつかどこかで……。
210
コメント数: 0